ナタリア氏講演

以下の通り、講演会を開催致します。来聴自由ですので、是非ご参加下さい。

日時:5月19日(土)14:30~17:30

場所:慶應義塾大学三田キャンパス 東館6F G-SEC Lab

http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html

発表者:ペトロフスカイヤ ナタリア氏(ケンブリッジ大学)

タイトル:「中世の地理学書とそのウェールズ語とフランス語の翻訳書-比較図像学的視点から」

要旨:地理学書Imago Mundiは1100年頃Honorius Augustodunensisによりラテン語で書かれ、その後約150年の内にフランス語、ウェールズ語、イタリア語、スペイン語等に翻訳された。ラテン語のヴァージョンは12世紀だけでも60以上の写本に収められ、中世の科学分野におけるベストセラーとも言うべき人気を誇った。本公演はこの地理学書の13世紀におけるウェールズ語とフランス語の翻訳書に焦点を当てる。ラテン語のImago Mundi、ウェールズ語のDelw y Byd、そしてフランス語のImage du Mondeの比較を中心として、中世の地理学の大衆化について考えたい。今まで殆ど研究されていないDelw y Bydの起源、そしてラテン語のオリジナルとの関係を検討し、その後、フランス語の翻訳書との比較に移りたいと考えている。本講演では、写本の図像の有無や変化が、Imago Mundiの大衆化過程において重要な役割を果たした事を、図像の変遷とその役割という観点から検証したい。

松田隆美