「文献学の世界」

日時:2012年11月9日

場所:三田の図書館5階の研修室

以下、高宮先生のメールから引用します。

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極東証券からの指定寄付によって三田で行われている「文献学の世界」と題するオムニバス講義に関連して、11月9日(金)14:45から三田の図書館5階の研修室で、私がAssociation copiesについてお話する予定です。

今回は英国フェミニストの元祖といわれる18世紀初めのElizabeth Elstobや、19世紀初めに下半身麻痺にもかかわらず古英語年代記の現代英語訳を出版したAnna Gurneyといった女流研究者の活躍と、彼らが贈った著者献呈本などをご紹介します。また、前者の活動を応援したGeorge BallardやGeorge Hickesらantiquariesの手沢本もお見せしたいと考えております。

第93回グロリア倶楽部例会

イェール大学バイネッケ図書館の至宝

Treasures of the Beinecke Rare Book & Manuscript Library

イェール大学のバイネッケ図書館はそのユニークな建築、保管庫、そしてアメリカでも屈指の蔵書数を誇ることで有名であり、日本を始め世界中から人々の訪問が絶えません。

このたびグロリアクラブでは世話人の髙宮利行先生のご協力を得て、バイネッケ図書館館長E.C.シュレーダー博士にご講演を頂く運びとなりました。

日本の大学との共同プロジェクトで来日されるシュレーダー館長の短い滞在中の貴重な二時間であり、東京で海外の稀覯書の蒐集・管理・運営について直接お尋ねすることのできるまたとない機会です。どうかお見逃しのないよう、皆様お誘い合わせの上お越しください。

(広い会場を用意しておりますが、多数の方のお申し込みが予想されます。出席ご希望の方はできるだけお早めにお申込みいただきますようお願い申し上げます。)

「グレンデルの母親はー永瀬清子のフェミニズム」

日時:2012年10月11日

場所:東京女子大学

講演者:高宮利行(慶應義塾大学名誉教授)

以下、高宮先生のメールから引用します。

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永瀬清子(1906-1995)は、知る人ぞ知るモダニスト詩人ですが、調べて行くと英語圏でかなりよく読まれていることがわかりました。私は2007年三田で開催された日本英文学会全国学会の特別講演で、ベーオウルフと渡辺綱を異文化相互干渉の観点から扱ったとき、永瀬の「グレンデルの母親は」(1929)に触れました(『英語青年』2007年9月号の拙稿参照)。グレンデルはベーオウルフが退治する怪物、その母親はベーオウルフが奪った息子の腕を奪い返しにいきます。このモティーフが渡辺綱の羅生門の鬼退治とよく似ていることを発見したのは1901年、オクスフォードの学者でした。

今回はむしろ永瀬の詩作品のいくつかをフェミニズムの観点から取り上げたいと思います。ご期待ください。

慶應愛書家倶楽部例会のお知らせ

慶應愛書家倶楽部例会のお知らせ
暑い夏も過ぎようとしております。読書の秋にふさわしく、慶應愛書家倶楽部の例会は次の要領で行います。ふるってご参加ください。

9月29日(土)午前10:00〜12:00

於丸善日本橋店3F、ワールド・アンティーク・ブック・プラザ(ご検索ください、展示品の紹介あり))

会費無料(参加希望者は石川事務局長代理までご連絡ください)

プログラム

10:10〜10:40 新田満夫氏「華麗なる西洋古書の世界」

10:40〜11:40 プラザに展示されている古書の見学(児童書の初版などイラスト本も多くあり、学部生でも楽しめます)

11:40〜12:00 オークション(内容に関しては後日連絡いたします)

その後一旦散会して、希望者は神保町散策、14:30に北澤書店2階に集合してください。

愛書家倶楽部会長 高宮利行

事務局長代理 石川大智

鈴木理恵子さんのご新著

以下、高宮先生のメールから引用します。

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いよいよ7月、節電の夏ですが、お変わりありませんか。

一昨日、1991年高宮研究会を卒業、現在早稲田大学法学部で准教授をしている鈴木理恵子さんから次の新著が届きました。_Negotiating History: From Romanticism to Victorianism_, Tokyo, Waseda University Press, 2012

これは鈴木さんがマンチェスター大学に提出した博士論文を基にした著作で、19世紀英文学史のロマン主義からヴィクトリア詩に見られる連続性を主張する内容、章構成はP. B. Shelley’s ‘The Triumph of Life’, Mary Shelley’s _Valperga_, Browning’s _Sordelle_となっています。

鈴木さんは学部2年生の夏、ケンブリッジ大学図書館でテニスン資料を渉猟したがんばり屋(本来外国人の学部生は入館できないのに、入館券担当者と議論して勝ち取ったとか)、修士課程のときから、上述の大きな主題に取り組んでいました。彼女の海外留学は下級生に大いに刺激を与え、踵を接して英国留学者が増えた時期でした。

この新著は苦節10年(それ以上か!)の成果です。大きな書店にはあるかもしれませんのでぜひご覧ください。

バーン・ジョーンズ展ー装飾と象徴ー

日時:2012年6月23日〜8月19日

場所:三菱一号館美術館

以下、高宮先生のメールから引用します。

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イギリスのラファエル前派第2世代のバーン・ジョーンズ展ー装飾と象徴ーが開催されます。どのぐらい大作がくるのか、どのぐらいアーサー王関係の絵が来るのか楽しみです。私の三田での講義に出席されている方を含め、ぜひお出かけください。今回の監修は河村錠一郎氏(ゼミの卒業生河村美陽さんの父)と仄聞しています。

古書調査

以下、高宮先生のメールから引用します。

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ケンブリッジに戻る直前のナタリアさんが拙宅にこられて、古書の調査をされます。ご一緒したい方は高宮までご連絡ください。

日時:2012年6月4日 14:00〜

 

寺子屋第2回『マクベス』朗読会

日時:2012年6月16日(土)13:00〜
場所:高宮名誉教授宅

以下、高宮先生のメールから引用します。

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音読する場面は第1幕第5場(マクベス夫人が手紙を読んでいるところへマクベスが城に戻って会話する場面)、第1幕第7場(マクベス夫妻の会話)、第2幕第2場(マクベス夫妻の会話)などいかがでしょうか。和文・英文で声に出してお読みください。

今回も若手とベテランの組み合わせで理想的だと思います。女優として訓練を受けたノアさんの発声も楽しみです。

まだ少し余裕がありますから、参加ご希望の方は高宮までどうぞ。

当日12:30から書庫の古書を見たい方は、高宮までご連絡ください。

19世紀クラシック作品の室内楽による音楽会

日時:2012年6月23日(土)午後

場所:三田北館ホール

19世紀クラシック作品の室内楽による音楽会があります。アートセンター主催で、新任の音楽史の教授の解説で、ベートーヴェンの交響曲の室内楽版などが演奏されます。19世紀の裕福な家庭での音楽の楽しみ方を知る稀有な機会です。入場無料で予約不要。

この日図書館一階の展示コーナーでは、三田で行われる西洋中世学会に合わせて、図書館所蔵の中世写本展示会が開催されます。