ベルンハルト・ビショップ著 佐藤彰一(名古屋大学名誉教授、西洋中世史)訳 瀬戸直彦(早稲田大学教授、中世フランス文学)訳『西洋写本学』、岩波書店、2015
カテゴリー: 書籍
『書物学 5』
月刊だったはずの『書物学』(勉誠出版)の第5号が、ようやく出版されました。添付したように、かなり印象的な装丁デザインで、今回は「洋古書の愉悦」と題する特集号となりました。雪嶋宏一(アルド)、原田範行(ジョンソン)、池田早苗(マンビー)、張替涼子(ホリンシェッド)と、執筆陣はいずれも愛書家倶楽部のメンバーです。ぜひ書店で手に取ってご覧ください。吉田編集長は、これからも年に一度は洋古書の特集をやりたいとのこと、ぜひ妙案をお貸しください。カラー写真満載の雑誌ですから、製本や児童書の特集などもよさそうです。
また、毎回読みやすい「書誌学入門」を連載している佐々木孝浩氏(斯道文庫教授)が、今回取り上げている貴重書を扱う際の白手袋とインターネット公開の功罪は、大変興味深いものです。私個人は英米の図書館で白手袋を着用するように言われたこともなく、HUMIでグーテンベルク聖書を撮影した際にも着用を義務付けられた記憶はありません(現存する聖書をもっとも多く調査している安形さんは、きっと異なる体験をお持ちかもしれません)。確かに国内の図書館では着用を義務付けている貴重書室が多いですね。
稀覯書のデジタル画像をネット公開するのと引き換えに、原本調査が妨げられるのは困りものです。調べる動機も違うでしょうから。7月初旬に出たオクスフォードでの国際学会のおり、ボドリー図書館では閲覧者が研究目的で個人で撮影したデジタル画像を共有するプロジェクトが始まったと聞きました。ご存知のように、海外の大きな図書館では、デジカメやスマホによる個人撮影が認められており、これらを持ち寄ってシェアしようというアイディアです。ぜひ一度お試しください。
「J.R.R. トールキン 世紀の作家」上梓!
トム・シッピー著 沼田香穂里訳 伊藤盡監修『J.R.R. トールキン 世紀の作家』、評論社、2015
スウィフト風刺論集上梓!
ジョナサン・スウィフト著『召使心得 他4篇 スウィフト風刺論集』原田範行編訳、平凡社新書、2015
『書物学』第4巻発行
高宮利行名誉教授の寄稿「英国愛書家の系譜」
20世紀の書籍商兼書誌学者として活躍したGraham Pollardについてをご覧いただけます。
『ブルーノ・ワルター 音楽に楽園を見た人』
86年卒OBの慶應大学文学部高橋宣也准教授の新著が上梓されました。
エリック ライディング, レベッカ ペチェフスキー著、高橋宣也訳、『ブルーノ・ワルター 音楽に楽園を見た人』、音楽之友社、2015年
高宮名誉教授の70歳のお祝いの記念論文集が刊行!
Simon Horobin and Linne Mooney, eds.,_ Middle English Texts in Transition; A Festschrfit Dedicated to Toshiyuki Takamiya on his 70th Birthday_, Woodbridge: Boydell & Brewer for York Medieval Press, 2014
7月14日にMagdalen College, Oxfordで行われるレセプションで正式に高宮名誉教授に授与される予定です。
素晴らしいデザイン、Linne Mooney氏の序文、タカミヤンズの加藤誉子と徳永聡子両氏の’Gutenberg Meets Digitiization: A Path of a Digital Ambassador’、カラー図版を多く用いたTerry Jones (Monty Pythonの大スター!)のJohn Gowerに関する長大な論文等が見所です。
雑誌掲載情報/刊行情報
日本英文学会機関誌『英文学研究』支部統合号 第6巻
高宮利行「マロリーのテクストを求めて」(181-190)
ラスキン文庫30周年記念 第66号
高宮利行「ラスキン蔵書目録の出版」
高宮先生の古希をお祝いする記念論文集が、2014年の晩夏にBoydell and Brewerから刊行されるというお知らせがありました。
Simon HorobinとLinne R. Mooney編集:
Middle English Texts in Transition: A Festschrift dedicated to Toshiyuki Takamiya on his Seventieth Birthday
展覧会/雑誌情報
<展覧会>
1.「近代への眼差しー印象派と世紀末美術」
於 三菱一号館美術館
ー2014年1月5日(日)
http://mimt.jp/meihin/
2.「モネー風景をみる眼 19世紀フランス風景画の革新」
於 国立西洋美術館(上野)
12月7日(土)-2014年3月9日(日)
http://www.tbs.co.jp/monet-ten/
<雑誌>
『イタリア図書』49号
「グランド・ツアー:イギリス人の見たイタリア」
そのほかリブリに関する連載やイタリア映画の歴史など
(出版元:イタリア書房、03-3262-1656)
http://italiashobo.com/hq/index.php
松田隆美編『書物の来歴、読者の役割』
松田隆美編『書物の来歴、読者の役割』と題する論文集が慶應義塾出版会から出ました。授業で行った講義を敷衍して担当者が寄稿したものだそうです。高宮先生の寄稿「閨秀古英語研究者のアソシエーション・コピー――エリザベス・エルストブとアンナ・ガーニーの場合」も収録されています。全国各書店の他、慶應関係者の方は生協書籍部でもうすぐ見られるはずです。
https://www.keio-up.co.jp/np/detail_contents.do?goods_id=2765