「トマス・マロリーからジョン・ディーへ-書物史からみたジョン・ハーディングの年代記の受容」
高宮利行慶應義塾大学名誉教授
2010年3月6日
慶應義塾大学言語文化研究所総会記念講演
撮影・編集:(有)ラウンドテーブルコム 柳沢富夫
トマス・マロリー
「トマス・マロリーからジョン・ディーへ-書物史からみたジョン・ハーディングの年代記の受容」
高宮利行慶應義塾大学名誉教授
2010年3月6日
慶應義塾大学言語文化研究所総会記念講演
撮影・編集:(有)ラウンドテーブルコム 柳沢富夫
トマス・マロリー
「トマス・マロリーからジョン・ディーへ-書物史からみたジョン・ハーディングの年代記の受容」
高宮利行慶應義塾大学名誉教授
2010年3月6日
慶應義塾大学言語文化研究所総会記念講演
撮影・編集:(有)ラウンドテーブルコム 柳沢富夫
ジョン・ハーディング
「トマス・マロリーからジョン・ディーへ-書物史からみたジョン・ハーディングの年代記の受容」
高宮利行慶應義塾大学名誉教授
2010年3月6日
慶應義塾大学言語文化研究所総会記念講演
撮影・編集:(有)ラウンドテーブルコム 柳沢富夫
導入部
下記の予定で講演会をすることとなりました。本来なら昨年の退職前にやるべきところ日程が合わず、今年となりました。
英文科の学生でも演題にある3人の名前を知っている人は少ないと思いますが、時期的には15世紀半ばから16世紀末までの間に、年代記作家で文学偽造者だったハーディングの英国年代記を、当時の人々がどう読んだかについて、歴史や政治と絡めて調べようという試みです。当日は画像と本物の写本や刊本を用いて分かりやすくお話しする予定です。
ぜひお出かけください。
慶應義塾大学言語文化研究所総会記念講演会
講師:高宮利行慶應義塾大学名誉教授
演題:「トマス・マロリーからジョン・ディーへ―書物史から見たジョン・ハーディングの年代記の受容」
日時:2010年3月6日(土)16:15-18:00
会場:慶應義塾大学三田キャンパス南館地下4階ディスタントラーニング室
http://www.icl.keio.ac.jp/
・日時:2010年3月18日(木) 18:00(受付開始17:30)より
・場所:三田キャンパス 北館1階 ファカルティ・クラブ
・会費:ゼミ員 8,000円(通信費2,000円含む)
同伴者(大人) 6,000円
同伴者(小人12歳以上) 3,000円
なお誠に恐縮ながら、当日キャンセルの場合にはパーティ会費の半額 (ならびに通信費)を申し受けます。
・会費および通信費のお支払い方法:
パーティご出席の方は会費を、ご欠席の方は通信費2,000円を、2010年3月6日(土)までにお振り込み下さい。
お振り込みの際、お名前の次に西暦の卒業年を入力していただくとたいへん助かります。(例:濱中美穂子 10)
ご質問等ございましたら、こちらのアドレス(高宮研究会OB会係メールボックス)までお願いいたします。
uni-corn*infoseek.jp(*→@)
それでは、当日皆様とお会いできますことを楽しみにしております。
日時:2009年12月27日(日)13時受付開始
場所:三田キャンパス 研究室棟1階 AB会議室
13:00 受付開始、古書販売+競売下見
13:30 徳永聡子 「国内所在のイギリス初期刊本の現状と課題」
14:30 コーヒー+wine
15:00 古書自慢高慢 展示+3分スピーチ(+情報交換)
☆☆↑希望者は簡単な古書解題を12/22までに徳永宛
にお送りください。☆☆
17:00 競売
17:30 終了
18:00 忘年会(中国飯店)会費3000円(学生会員は2000
円)
日本中世英語英文学会第25回全国大会
於 慶應義塾大学日吉キャンパス
第2日 11月29日(日)10:00-12:30
シンポジウムII(DB201教室)
‘Gothic’ と現代―Derek Brewer教授の業績を称えて(‘Gothic’ and Modern: In Memoriam Derek Brewer)
司会 髙宮利行(慶應義塾大学名誉教授)(Toshiyuki Takamiya, Professor Emeritus, Keio University)
Derek Brewer教授(1923-2008)は多くの顔をもつ稀有な英文学者であった。一般には、Chaucer学者、Brewer出版社を創設した経営者、Emmanuel CollegeのMasterとして知られる。しかし同時に、OxfordでTolkien とC.S. Lewisの謦咳に接し、ICUで2年間教え、詩作をよくし、100以上の各種委員会を主宰し、Mythographyの研究に没頭し、すぐれた蔵書を構築した。エリザベス夫人とともに5人の子供を育て上げた家庭人でもあった。教授夫妻の死は欧米の学界関係者だけでなく、ICU, Birmingham, Cambridgeなどでお世話になった日本人からも惜しまれた。KalamazooやLeedsの国際中世学会では追悼セッションが組まれ、創刊から編集顧問を務めたPoeticaは追悼特集号を組んでいる。
本シンポジウムでは、Brewer教授の中世英文学研究への貢献を称えると同時に、日本におけるBrewer教授や日本人学者とBrewer教授との関係にも焦点を当てたい。在りし日の教授の姿を偲ぶよすがとなれば幸いである。
「Brewer教授のGothic Chaucer」(Gothic Chaucer: The Legacy of Professor Brewer’s Chaucer Criticism)
小林 宜子(東京大学大学院総合文化研究科・准教授)(Yoshiko Kobayashi, Associate Professor, University of Tokyo)
本報告は、1953年にChaucerを上梓したBrewer教授が、その後、同書に加筆修正を重ね、チョーサーに関する新たな論考を発表するなかで、チョーサー作品への理解をどのように深化させていったかを辿るとともに、その一連の論考を20世紀半ば以降のチョーサー研究の流れの中に位置づけ、その意義を再評価しようとする試みである。Brewer教授は14世紀後半のイングランドを多元的な社会と捉え、そうした社会の中に生きたチョーサーの作品の中にも、宮廷や教会の権威に裏打ちされた公式の文化と非公式の文化が緊張関係を保ちながら共存し、実生活に根差した新たな詩的表現への渇望が伝統への依拠と複雑に交錯しあう、複眼的で曖昧で矛盾に満ちた「ゴシック」的構造を見出している。チョーサーを新古典主義やロマン派の作家たちと対比させ、写実主義の概念では読み解くことのできないチョーサーの詩の「ゴシック」性に着目したBrewer教授の解釈は、どのような批評的立場に立ち、いかなる地平を切り拓いたのか。そのことを振り返りつつ、Brewer教授の功績が今日のチョーサー研究に対して持つ意味についても併せて考察したい。
「MaloryとBrewer教授の仕事」(Professor Brewer’s Achievements in Malory)
向井 毅(福岡女子大学教授)(Tsuyoshi Mukai, Professor, Fukuoka Women’s University)
Brewer教授の仕事の始まりはEssays on Malory (1963)に所収の‘The hole book’であるが、後に展開される一連のMalory論は1968年に出版された The Morte Darthur: Parts Seven and Eight (Edward Arnold)の「序文」にその議論の萌芽をみることができる。大論争となった「構造上の統一性」に関しては、Lumianskyら(1964)の近代的「ユニティ観」とは異なり、‘Gothic unity’と名付けた中世に固有の概念を導入することにより、Maloryの矛盾を孕む統一性を説明したBrewer教授の理論は創意に満ちている。また、新古典主義的文学観に立つAscham(1570)らの作品批判に対しても‘archaic mind’という心の有り様を想定し、作品受容のための歴史的コンテクストを立てた。さらには、Maloryの言語表現を‘ceremonious’として分析する道をひらき、日本の武士道にも通じる恥と名誉の観点から人物や作品を解釈する可能性も示した。
Brewer教授には、作品のコンテクストとして説得力ある独自の概念を構想し、作品を歴史化、社会化する作業を通して、巧に異論や論争を和すところがある。Brewer教授の学問の一端をMalory研究を通して紹介してみたい。
「Symbolic StoriesとBrewer教授の創作詩」(Symbolic Stories and Brewer’s English Poems)
髙宮利行(慶應義塾大学名誉教授)(Toshiyuki Takamiya, Professor Emeritus, Keio University)
Brewer教授は、新古典主義の文学観が支配した19世紀以降の文学研究では、とかく昔話、御伽噺、ロマンス類は蔑まれてきた状況に不満を抱いた。そして、1970年代に大学での講義を通して、作者不詳の伝統的な文学を復権させるべく、精神分析学や文化人類学の研究方法を援用しながら、作品の分析に迫った。その結果、ヨーロッパに伝わる作者不詳の作品には、場合によっては作者が明らかな作品でも、若い主人公の自立が深層構造に隠された筋立てが多く、それは主人公の性別によって異なるという見解を打ち出した。1980年に本書がSymbolic Stories: Traditional Narratives of the Family Drama in English Literatureとして出版されると、一部からはかなりの批判を浴びたが、Brewer教授の創見はその後次第に認められるに至った。
Brewer教授は詩作をよくし、学生時代には総長賞、また研究者となってからも次々と受賞するようなすぐれた英詩を発表した。後年にまとめられた詩集には、アーサー王関係の主題を謳った詩も含まれており、恩師C. S. Lewisの詩と同様に、今後注目されるであろう。
略歴
髙宮利行 慶應義塾大学文学部教授を経て2009年名誉教授。日本中世英語英文学会の編集委員長、評議員、会長を歴任、国際アーサー王学会日本支部会長、Poetica編集長、Sheffield大学文学名誉博士、「本のある時間」編集長
小林宣子 東京大学大学院総合文化研究科・准教授、慶應義塾大学文学部講師。日本中世英語英文学会評議員
向井 毅 長崎大学講師・助教授、鳴門教育大学教授を経て、福岡女子大学教授。日本中世英語英文学会評議員、副会長を歴任
本の魅力を伝えるコミュニティサイト
「本を読む人、本を愛する人、本とかかわる人のためのネット広場」というコミュニティサイト「本のある時間」が公開されます。
高宮利行慶應義塾大学名誉教授からお誘いを受けて、編集スタッフ会議に参加させていただきました。
専門家だけのコミュニティではなく、主婦から高齢者までひろく一般の方々の参加も呼びかけて行くという主旨を伺いました。
高宮先生からは、本にまつわる話題(カフェ、ファッション、映画、演劇)等を縦横無尽に展開できるサイトにしていきたいということ。専門家ばかりのコミュニティというわけではなくて、「本」周辺部の興味にも焦点を当てたやわらかめのサイトになりそうです。
スタート時のスタッフ側の構成が、図書館情報展を主催するカルチャー・ジャパン、稀覯書専門の雄松堂、
印刷、出版界を引っ張る大日本印刷という、いわゆるプロフェッショナル集団であること、サイトのお披露目が
図書館員等が集まる図書館総合展でのお披露目である事から、少し偏った硬めのコミュニティになってしまうの
を避けたいという主旨なのだと思います。
なお、こちらのサイトではボランティア編集者を募集中です。
応募者は2009年11月10日にパシフィコ横浜で行われる発起会パーティに参加できる特権があります。詳細はこちらから。
丸善創業140周年記念
「グーテンベルク42行聖書」展
協力/慶應義塾図書館・大日本印刷株式会社
日本橋店 3F ギャラリー
2009年9月2日(水)~9月8日(火)
9:30~20:30
高宮名誉教授より101人の編集ボランティアの募集の情報が上がっています。
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読書人、愛書家、図書館員、出版社、書店などを結びつけるサイトホームページ上での活動になります。